2012年 07月 18日
パリの空に青色が戻ってきたので、ちょっとお散歩。 ある人に会うために、ありがとうを伝えるために。 沢山の著名人が眠る、ペール・ラシェーズ墓地。 広いので案内のムッシューに教えてもらうがしばし迷う。 「ちょっと難しいけど噴水を目印にそこから小道を見つけて、お墓を縦に9個、その後右に5個数えてね」と言われるが… パリのお墓はそんなに整然としていない。。無事会えるのだろうか? ナナメに重なってるのとか、これはこの列に含むのか含まないのか? こういうのもフランスらしいなぁと思いつつ… なんとなくアンテナの感度を上げてみる。 すると、それらしい場所にシンプルだけど お花が沢山置いてあるお墓が。ピンと来て、そこによいしょっとよじ登ると… 無事会えました!ほっと一安心。 クリダ先生… 静かで大木に囲まれいい場所です。 お花好きな先生。いくつか他にもお花がありました。 最近訪問があった気配、うれしく思う。 先生は5月17日にお亡くなりになりました。 きっと今は音楽の神様の仲間入りをして、 音楽界を優しく暖かく、見守って下さっていると信じます。 私は、直接の弟子でもなんでもなく クリダ「先生」と呼ぶのは、変だろうか?と時々思うのだけども 彼女とはいくつか忘れられないご縁があり、私の心に深く刻まれている存在なので勝手に先生、とお呼びしています。 音楽やピアノだけでなく、人生の先生、という感じかな。 その昔、あるアクシデントで涙涙の私をぎゅっと抱きしめて下さった あの暖かい腕を私はいつまでも忘れません。ありがとう。私もあのような暖かい人物になれたら。 クリダ先生は、我がホントウの師匠(笑)ハイドシェックとも交流があったため ある日、クリダ先生のご主人も交えて、ハイドシェック邸で「偲ぶ会」をしました。 私も呼んでいただけて、貴重な思い出話なども沢山聞かせていただき 先生とちゃんとお別れできて良かったなと、音楽の縁は、肉体は滅びても魂は永遠なのだなと思い 音楽は素晴らしいなと思うと同時に、脈々と続くクラシック音楽界への責任も感じたり。 クリダ先生は「マダム・リスト」と呼ばれ、一般的にはリスト弾きで有名ですが 追悼番組のお陰で、ショパンやクープランなど他のレパートリーでの素晴らしさも知りました。 芯のある音で、軽やかでもあり、力強くもあり、自由自在な演奏。 演奏家としての活躍はもちろん お弟子さんの数もものすごく多いクリダ先生。 「厳しくも、決して傷つけない教え方」をモットーにしていたと、ご主人から聞きました。 若い人を傷つけてはいけない、ミスはみんなするものだからと。 ご自身は、強力な母親のサポートのもと、小さな頃から厳しい練習に耐えて来られた方です。 レッスン毎に母親がレッスン内容を全てメモし、家に帰ればつきっきりで復習。 このような、家族の強いサポートは、ピアニストの話によく出てきます。 ハイドシェックの母親もしかり。 最後まで、与えることを惜しまなかったクリダ先生は ご自分の体調を差し置いて、お見舞いに現れる弟子たちをいつも叱咤激励していたそうです。 いつもまるで少女のように、かわいらしい人だったとご主人。 ピアニストとしての圧倒的技量と、その幼さのギャップにきっと、もうメロメロだったのではないかしら。 クリダ先生、安らかに。合掌。 **ブログ内ハイドシェック情報** ★ハイドシェック来日ツアー2011 ★ハイドシェック来日ツアー2009 ★ハイドシェック来日ツアー2008 ★ハイドシェック来日ツアー2007 ★ハイドシェック au Japon ★ハイドシェック en France ★ハイドシェックの録音 ***************************************************** 応援クリック、シルヴプレ
by moncheminparis
| 2012-07-18 13:00
| ピアノ piano
|
アバウト
みなさまのご訪問に感謝。コメントは認証制です。現在ハイドシェック来日&新譜情報強化中。
カテゴリ
自己紹介
ハイドシェック来日ツアー2018 ハイドシェック来日ツアー2013 ハイドシェック来日ツアー2011 ハイドシェック来日ツアー2009 ハイドシェック来日ツアー2008 ハイドシェック来日ツアー2007 ハイドシェック en France ハイドシェック au Japon ハイドシェックの録音 東日本大地震2011 日々のこと… d'habitude ピアノ piano パリ風景 Paris パリ日常 旅 voyage 食べもの miam-miam... フランス語 francais ネコ日記 chat にこらのにほんご nihongo instagram >> haru_piccolo_kiki
........................ *profile* 愛知県立芸術大学器楽科卒業後、渡仏。エコール・ノルマル音楽院入学。演奏ディプロム取得。その後スコラ・カントルム音楽院入学。同音楽院コンサートディプロムを審査員満場一致の一等賞で取得。サン・ノム・ラ・ブルテッシュ国際ピアノコンクール「フランツ・リスト賞」、U.F.A.Mコンクール室内楽部門第2位受賞。1998年以降エリック・ハイドシェック氏指導の下研鑽を積み、ソロ、室内楽、伴奏等で幅広く活躍、また後進の指導も力を入れ、2010年よりパリ郊外のコンセルヴァトワールにて教鞭を取る。 「ピアニスト鈴木晴美の部屋」 Comment elle joue? *** 音源UPしました♪ ................... *インタビュー掲載サイト* 音楽留学サイト And Vision (2007年1月) 最初はみんなゼロだった 前編&後半 (2008年12月) ................... *リンク Liens * ハイドシェック公認日本語サイト 「エリック・ハイドシェック通信」 ハイドシェック公式HP(仏語) Bienvenue sur le site officiel du pianiste Eric Heidsieck コンサートイマジンHP concert imagine 以前の記事
2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2016年 04月 2016年 02月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 04月 2014年 01月 more... 記事ランキング
最新のトラックバック
その他のジャンル
|
ファン申請 |
||