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2016年 02月 22日
Des musiciens dans la guerre
昨日から二週間の冬休みに入りました。
ちょうど良いタイミングで音楽院の同僚たちが我が家の近所でコンサートをすると言うので、
友人と誘い合わせて聴きに行ってきました。

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Des musiciens dans la guerre
戦争と音楽家達



チェロのLaurence(中央)とクラリネットのEmmanuelle(左端)が私の同僚です。




テーマは第一次世界大戦下のフランス音楽家たち。
同時の手紙や、映像、写真などを美しい歌曲や室内楽などと共に当時の様子を振り返ります。


戦争というテーマは今、特にデリケート。避けて通りたいような気がしなくもない。
あまりにも暗いコンサートだったらどうしよう?なんて思ったのも正直な気持ち。

美しいフランス音楽に、戦争を重ね合わせてみたことなど私は一度もありませんでした。
ラヴェルや、サン=サーンスなどが、戦争を支持し自らも戦場に向かったり、
自らの音楽でプロパガンダに参加するような同時の情勢を私は全然意識していなかったので
今同じような状況になったら私達音楽家はどうなるのだろうか、、なんて
ちょっと生々しく考えてしまったりしました。

音楽の持つ力を、主旨に反して戦争に利用されると言う状況は避けたいものですが。。


こちらに住むようになってから、遠くに感じていたユダヤ人迫害の歴史や
フランスのレジスタンスの存在などを、とても身近に感じることがあります。
ボクの私の家族が、、、収容所で亡くなったんだ。地下に篭って命からがらレジスタンスをしたんだ。
家族の歴史を語れない事情を持っている方も多くいます。許されない関係で生まれた子供たち。
そんな話を聞くたびに、起こったことはつい最近の話なのだと思うし、
たくさんの犠牲者が出たのに、その報いなく今も不幸の連鎖が止まらないと思うと悲しい。


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Mon violon m'a sauvé la vie
(Destins de musiciens dans la Grande Guerre)







この本を元にコンサートの雛形を作ったと聞いたので入手してみようかな、、、
最近は怖いのと落ち込みたくないの両方で
すっかりニュースを見られなくなった臆病者の私ですが、無関心も罪です。


by moncheminparis | 2016-02-22 20:48 | 日々のこと… d'habitude


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