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2007年 02月 03日
コンサートマナーについて & petit 節分
今日はハイドシェック夫妻の出演するコンサートがありました。
会場は、パリ5区、スコラカントルム La Schola Cantorum 内の Salle César Franck で
舞台バックにパイプオルガンがあり、それほど広くはないけれど雰囲気のある会場です。

会場はちょっと入りすぎなんじゃない、というくらいのぎゅうぎゅうの満員。
それほどの客入りを想像していなかったのか、慌てて補助席を出す始末。
開演前はそんなわけで、ちょっとバタバタしていました。

コンサートはそんな会場の進行の悪さが目立ったものの
ハイドシェックの魅力がたくさんの、バッハ作品に命を吹き込むような演奏でした。
特に良かったのは昨年日本公演でも演奏したハ短調の2台ピアノ協奏曲。
ご夫婦の息があんなにも合う事に改めて感動、というか素晴しいなと。

私の言いたい「息が合う」と言うのはテンポとかタイミングがどうの、という話ではなくて、
音色や音楽性も2人のアンサンブルが絶妙で、生き生きとしている、という意味です。

そのコツは何なのか。
終焉後の楽屋に夫妻を訪ねた時に分かった様に思いました。
ハイドシェックは「ターニャ(奥さま)の演奏、何て素敵だったんだ、彼女は本当に素晴しい」と奥さまを褒め、
ターニャさんは「あなたこそ、素晴しかったわ、私たちはいい演奏をしたわね」と褒めあう。

アーティスト同士、そしてピアニスト同士のカップルで
お互いの信念や目指す理想がぶつかり合ってときに難しい関係になる事も多い中
ハイドシェック夫妻は数々の人生のシーンを一緒に乗り越え、お互いを尊敬しあって
素晴しい夫婦関係を築いてきたのだな、と2人のやり取りを見て再認識しました。
美しい風景でした。

ところで。
話は少し変わるのですが。
コンサートで少し気になることがありました。
それは、最前列に子供を座らせるのは良い判断なのか、という事です。
両親はもしかしたら、この貴重な舞台を一番前で見せてあげたい、そう思うでしょうか。
でも、子供は普通、じっとしてられませんね。

私たち演奏家は、演奏に集中するため、日々最大の努力をします。
でも、どんなに努力しても本番で思わぬことが起きる事はほぼ毎回あります。
そんな中で多いトラブルが、1番前の席に座る方のマナー。
特に、子供は途中で飽きてしまったり、ごそごそしてしまったり。

子供に来て欲しくないのではないのです。
そのちょっとしたゴソゴソが、時に演奏家の集中を完全に壊し、大失敗に終わる事もある事を分かって欲しい。
1番前の席は演奏する時にに見えるのです。

演奏家は聴き手を、聴き手は演奏家を、お互いを思いやって一緒に舞台を作り上げる、
そんな気持ちを聴き手の方にお願いするのは演奏家のエゴでしょうか。

実は今夜もそんなアクシデントがありました。
聴いている方も、その子供の様子が気になって仕方が無い。
それでは素晴しいコンサートが台無しです。
注意を受けた子供に何の責任もない。
私は、その席に座らせた(しかも自分たちから離れた位置でした)両親に、問題があると思いました。


さて。

少々お疲れ気味で家に着いたらまだぎりぎり間に合う!何に??
節分!
はい。ニコラとプチ・節分をしましたよ、ちゃんと。
小さな鬼のお面もついている節分セットを日本より仕入れました♪
ちゃんとお豆も年の数だけ食べて…。

by moncheminparis | 2007-02-03 23:30 | ハイドシェック en France


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