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2007年 11月 06日
Barry Lyndon
思わぬタイミングで映画を見るのっていいですね。
しかも、それが本当に素晴しい作品だったりすると…。

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昨日、ARTE(仏独国営共同テレビ)で、「Barry Lyndon」が放送されました。
実は…この作品を私は知らなかったのですがニコラの強い勧めで見る事に。



あまりの素晴しさに、感嘆。
どの場面を切り取ってもまるで絵画のような、その独特の光と色合い。
音楽も衣装も素晴しく、3時間近くのこの芸術的大作を見終えた後には深い感動が残りました。

「バリー・リンドン」(Barry Lyndon 1975年、アメリカ)
スタンリー・キュービック監督の作品。
映画背景は18世紀のヨーロッパ。
ある1人の男の生涯を追って物語りは進みます。
その人物像の描き方は淡々として、それがまた余韻を残すと言うか。

そう、この「余韻」が私は好きなのです。


とにかく素晴しいのはその映像。
18世紀のムードを忠実に再現するために、キュービック監督はNASA開発の特殊レンズ(日本製)を使用。
特に、室内をロウソクの灯のみで撮影するためです。
私はレンズがどうとか、難しい事はわかりません。
でも、その映像の質の違いは歴然。
実際に見るよりもさらに美しい映像に仕上がっていて。
そして作品の多くのシーンで使われる自然も、どれも素晴しくて…。

音楽もまた、いいです。
作品の時代と同じ18世紀の音楽(バロック&古典派)が使われていますが
時々例外で、シューベルト:ピアノ3重奏曲、第2番の2楽章が登場するのが印象的。
心の奥深くに訴える、自分の内部から聞こえてくるような気さえしてくる、音楽。

もちろん、物語も。
冷ややかなキュービック監督の視線を感じました。
描き方が怖い、というか。
舞台背景は18世紀ですが、人間の心はいつも同じ過ちを犯す。それは現代も変わらない。





*les photos*


その魅力の10分の1も伝わらないような気がしますが、映像を載せてみます。

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ロウソク灯の妖艶さ。。
驚くばかりです。


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まるで、クリムトの絵画のような…。


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どのカットも、まるで絵のようです。

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by moncheminparis | 2007-11-06 19:02 | 日々のこと… d'habitude


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