2008年 01月 30日
悲惨さをさわやかに伝える
戦争を取り上げた本や映画ってやはり見るべきだと思います。
昨日は、23日から1週間パリで開催されていた第11回Festival Cinéma Télérama の最終日。
開催中は選出された15本の映画を3ユーロで見られる、という事で映画好きにはかなり魅力的。
システムは、雑誌Téléramaを購入、その中に2名まで有効のクーポンが付いています。


フェスティバルのプログラムで随分前から見たかった映画があったので
最終日の昨日、駆け込みセーフで見てきました。
さすが映画好きのフランス人、3ユーロで見られるチャンスを逃しません。
20時からの上映は満員。


Marjane Satrapi マルジャン・サトラピ原作のアニメーション映画
「Persépolis」 ペルセポリス  製作:2007年(フランス)

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声:キアラ・マストロヤンニ
   カトリーヌ・ドヌーヴ
   ダニエル・ダリュー

舞台は、1970年~90年代の激動のイラン。
どんな時でも生きる勇気とユーモアとロックを忘れない主人公の少女・マルジ(原作者)と、
母娘3代にわたる温かな心の交流を軸に、アニメーションで描かれています。



実はかなり悲惨な内容なのに
アニメーションのタッチが軽やかなので最後までさわやかな気持ちで見れます。

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生き生きとした人物像。
その中でも特に愛すべきキャラクターは
主人公マルジと祖母。
(ハチマキしてるのがマルジ、左端がおばあちゃん)。



女性の権利が全く存在しない世の中。
「お前らみたいな女は残らず犯してゴミ溜めに捨ててくれるわ」
と暴言を吐く男たちがのさばる中
女としての誇りを忘れるんじゃない、公明正大に生きなさい、と祖母はマルジに教育します。
教育は言葉ではなくその生き姿で。そこが、粋なのです。

そして愛らしく幼いマルジ。
おじいちゃんは共産党員だったのよ、と8歳のマルジは聞いて大興奮。
しかも牢屋に入れられたんだって!おじいちゃんはヒーローなのよ!と無邪気なマルジ。
幼い彼女の目にはその後ろに潜む悲惨さは映らない。

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でも。。マルジは段々わかっていく。
そして成長していくマルジ。
大人になること、女になる事。
自分の身を守るために犯す間違い。
いろんな事を沢山経験して大人になる。



この映画は、暴力はいけない、戦争は罪だ、と押し付けてきたりしません。
見る側に少し余裕を与えてくれる。
実際、昨日の会場で何度も笑いに包まれ暖かい気持ちになるのです。
でも見終わったとき、それぞれの心には間違いなく人間としての誇りが迫ってきて
今もなお続くおろかな暴力の連鎖に思いをはせずにいられないでしょう。

マルジが味わった外国生活のシーンは
現在も変わらず存在する問題を浮き彫りにもしていました。
そこもまた、私の心に強く、残りました。
見てよかったです。
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by moncheminparis | 2008-01-30 15:07 | 日々のこと… d'habitude


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