2008年 05月 19日
J-9  ピアノソナタ第31番 作品110
ハイドシェック来日ツアー開始まで、日数が一桁台になりました。
時間の経つのが早くって…信じられないような気持ちですが、もうすぐなんですね。


さて。
ハイドシェック来日プログラム。最終曲目はピアノソナタ第31番 作品110


この頃のベートーヴェンは聴覚は全くと言っていいほど、失われていました。
そして、経済的にも苦しく孤独だった時代…。
現実的な問題に深く悩み傷つく反面、苦しみに立ち向かう精神力、そして美しさや穏やかさへの憧れ、
そう言った心の動きが深く描かれる作品です。
特に私が強く意識して聴くのは、第3楽章に登場する「嘆きの歌」と呼ばれる部分。
心に染み渡り、自分の人生と向き合わずにはいられなくなります。

心あたたまる主題で導かれる第1楽章 Moderato cantabile molto espressivo

楽譜冒頭↓
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のびやかに歌い上げる旋律は、
当時のベートーヴェンの心境を思うと
信じられない程美しいです。


打って変って勇ましい第2楽章 Allegro molto
決心と勇気、運命と戦うベートーヴェンらしい楽章。

第3楽章 Adagio ma non troppo - Fuga
冒頭、オペラアリアのようなレチタティーヴォを経て…現れる「嘆きの歌」。
誰にも打ち明けられない、深い苦しみと孤独。心にぐっと突き刺さる旋律です。
しかし、ベートーヴェンは苦しみは乗り越えてこそ意味がある、とばかりに立ち上がる。
それが、感動的なフーガ。
一歩一歩、自分を信じて歩み始めるフーガはまさに傑作。
再び現れる「嘆きの歌」にも屈せず立ち向かい、希望へ向かって翼を広げるコーダは圧巻です。


「苦悩を付きぬけ歓喜に至れ」という、有名なベートーヴェンの言葉があります。
31番のピアノソナタはまさに、その言葉を象徴するかのような作品。
この作品は誰にも献呈されず、まるで自身のために書いたかのような印象さえ受けます。

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by moncheminparis | 2008-05-19 07:55 | ハイドシェック来日ツアー2008 


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