2015年 01月 12日
世界中に衝撃が走ったパリの事件。もうみなさんご存知のことでしょう。 1月7日、パリ11区で新聞社の襲撃事件。犯人は逃走。 翌日パリ南郊外モントルージュで警官射殺事件。犯人は逃走。 2日後パリの北郊外で新聞社襲撃犯人が、人質を取り立てこもり事件。 同日パリ市内ヴァンセンヌにてモントルージュ事件犯人が、ユダヤ人経営スーパーで人質を取り立てこもり。 新聞社襲撃の衝撃で麻痺している間に次々と起こった一連の事件。 最初の襲撃は悪夢の幕開けでしかなかった。。。 事件についてはもう詳しく書きません。 私は疲れました。前を向いて生きて行きたい。 悲しみや怒りの矛先をどこに向けたらいいか全く分かりませんが、 また今日から新たに頑張ります。1日1日を大切に。 一般市民に出来ることはまずそれしかない。 この数日で多く叫ばれたキーワードがあります。 laïcité 非宗教性 宗教と言う観念を超えて、お互いを認め合う。人はみな違って当然。 宗教について私は上手く書けません。 小さい頃、プロテスタントの幼稚園に通っていました。 毎日礼拝堂で祈り、十字架の前で賛美歌を歌いました。 クラシック音楽の根源は教会音楽だよと習いました。 イエス様は素晴らしいお方だよ。自分を犠牲にしてまで真実を貫いたのだよ。 小さい頃に刷り込まれた事というのは、なかなか強い影響力があります。 今でも苦しいときに何かにすがりたくなれば、私は両手を握り締めて十字架を思う。 イエス様ご先祖さま仏様、私の祈りの順番はこうです。お助け下さいと祈る。 祈りは、誰にでもある自然な感情と思います。 ここで話が終われば、それほど物事はこんがらがりません。 でも、宗教は権力や政治に利用された。多くの争いで血が流れた。 そこから狂ってしまった。方向性を失い多くの矛盾が生まれてしまった。 非常に難しい問題です。 私のパートナーニコラは イラストを描く人でもあるので この4名のイラストレーターへのオマージュ。 このプラカードを掲げて昨日1月11日の大行進に参加しました。 70年代のテレビシリーズ、チャーリーズエンジェルと 新聞社のシャルリー・エブドをかけています。 (仏語でチャーリーは、シャルリーと発音) 輪っかの意味は、多くの宗教で天国(のようなもの)の概念があるので このようなデッサンになったようです。彼らの冥福を心から祈りたい。 amalgame 混同 一般イスラム教信者とイスラム過激派を混同にしてはいけない。 いけません。 過激派・原理主義者は宗教同士の相容れない部分をうまく利用し、煽る集団です。 相容れないのは当然なのに、そこを許さない。そして相手を暴力で倒す。命を奪う。 利権も絡んでいるでしょう。あんなに大きな組織となって、経済力もある。 単に相手を許せないから事件を起こしているのではない。 理由つけて争いごとを世界中にばらまき、大きな動きとなるのを狙っているのです。 挑発に乗ってはいけない。 ちょっとテーマをずらしますが 例えば肌の色、なども、まだまだデリケートな問題です。 フランスでも多くの民族が暮らしその二世三世、、、混ざり合って混沌としています。 実は、大行進に行くのにひとつエピソードがありました。 何本もメトロを見送っても満員で乗れないので、困り果てていた私達。 思い切って運転手席に乗せて下さい!プラカードもあって困ってるの! と図々しいお願いをしたら何と、乗せてくれた(笑)。 運転手の黒人の気のいい兄ちゃん。ありがとう。 今日のオレの使命はちゃんとみんなが目的地に安全に着くこと。 そう言い切って。クールでした。 黒人は、、、ってすぐ一括りにする傾向は 残念ながらフランスにも多少あるのです、、、 そう言うのも、amalgameだなって昨日はつくづく思いました。 兄ちゃんとはぎゅっとハグして別れました。 liberté 自由 このキーワードが私には一番、、、難しく感じます。 シャルリーエブドが襲撃されたのは彼らの発信する風刺が原因。 ここで強調しておきますが、彼らは決してイスラムだけを標的にしていたわけではありません。 あの新聞社はありとあらゆる宗教政治権力をすべて風刺にし、からかい続けていました。 フクシマのこともかなり辛らつに描かれました。悔しくて涙が出るほどです。 臭いものに蓋をする日本人にはなかなか理解しがたい表現かもしれません。 表現の自由が侵された、 ただペンを紙を使って表現していただけなのに殺害された、 風刺はヘイトではない、表現なのだ、笑ってなにが悪い、 色々、色々。。。 今回、Je suis Chalrie 私はシャルリー というスローガンが発生しました。 確かに、表現は自由です。気に入らないからと暴力で排除するのは間違っている。 例えば戦時下、色々な国で表現の規制があったのは、 表現はなによりも民衆の力になると権力者はよくわかっていたから。 私の思いつく表現規制は、ポーランドがドイツ占領化でショパンの音楽を禁じられたこと。 祖国ポーランドへの誇りが常に鳴り響くショパンの音楽はナチスの敵でした。 私は昨日の大行進には参加しましたが、、、 私はシャルリーでしょうか。 あのスローガン。私は掲げることは出来ませんでした。 風刺やジョークをすべて、面白可笑しく笑って良いのか。 傷つく相手を見て、ふふん、ざまみろ!みたいな風潮がはびこっていいのか。 誰が正しく誰が間違っているかなんて 今の世の中で誰が判断するのでしょう。 誰にも、他人を傷つける権利はない。 シャルリー・エブドは、私は決して手にはしない新聞でした。 あの不快な画。目を逸らしたくなる下品な手法。生理的に受け付けません。 ギリギリすぎるなといつも、見るたび思っていました。 挑発的なので、メディアには受けるのです。そして時には良い話し合いの機会にもなり得る、、 悔しいことに、私の狭い価値観、無知な自分を思い知らされることもあります。 でも私はあの新聞は好きでないし、これからも手にはしないでしょう。 昨日の大行進はパリ市内は150万人(パリの人口は225万人)、フランス全土で350万人の参加者があったと発表されました。 何はともあれ、そのフランスの団結力、民衆の力は素晴らしいものと思います。 あれだけの大規模なデモが、事故もけが人もなく、つつがなく行われたことも、ここに加筆したいと思います。 長々とした文章最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。 私にはまだまだ、わからないことばかりです。 **ブログ内ハイドシェック情報** ★ハイドシェック来日ツアー2013 ★ハイドシェック来日ツアー2011 ★ハイドシェック来日ツアー2009 ★ハイドシェック来日ツアー2008 ★ハイドシェック来日ツアー2007 ★ハイドシェック au Japon ★ハイドシェック en France ★ハイドシェックの録音 ***************************************************** 応援クリック、シルヴプレ
by moncheminparis
| 2015-01-12 11:48
| パリ風景 Paris
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........................ *profile* 愛知県立芸術大学器楽科卒業後、渡仏。エコール・ノルマル音楽院入学。演奏ディプロム取得。その後スコラ・カントルム音楽院入学。同音楽院コンサートディプロムを審査員満場一致の一等賞で取得。サン・ノム・ラ・ブルテッシュ国際ピアノコンクール「フランツ・リスト賞」、U.F.A.Mコンクール室内楽部門第2位受賞。1998年以降エリック・ハイドシェック氏指導の下研鑽を積み、ソロ、室内楽、伴奏等で幅広く活躍、また後進の指導も力を入れ、2010年よりパリ郊外のコンセルヴァトワールにて教鞭を取る。 「ピアニスト鈴木晴美の部屋」 Comment elle joue? *** 音源UPしました♪ ................... *インタビュー掲載サイト* 音楽留学サイト And Vision (2007年1月) 最初はみんなゼロだった 前編&後半 (2008年12月) ................... *リンク Liens * ハイドシェック公認日本語サイト 「エリック・ハイドシェック通信」 ハイドシェック公式HP(仏語) Bienvenue sur le site officiel du pianiste Eric Heidsieck コンサートイマジンHP concert imagine 以前の記事
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